エルゼンフェルトの山
■概要
キミたちは、“ザルツの要塞”ルキスラの〈馬の骨〉亭で登山護衛の依頼を持ちかけられます。ル=ロウド神殿の主デューデンビュッテル大司祭によると、護衛対象は過去にとある罪を犯した“罪人”で、彼が真に悔い改めているかどうかテストするためにカプティ山脈中腹のル=ロウドの聖地、ヒンメルタール修道院まで送り届けて、そこで“試練”を受けさせて欲しいと言うのです。“罪人”はとある少女を助けたがっており、デューデンビュッテル大司祭は、彼が“試練”から逃げ出さなかったなら、少女に救いの秘蹟を与えるつもりだと言っています。冒険者たちは“罪人”を無事試練へ立ち向かわせられるのでしょうか? そして、“罪人”と少女の両方を幸せにできるのでしょうか?
2~4Lv(冒険回数:1回推奨)、3~5人、ウィルダネスアドベンチャー。
■真相
冒険者たちは、自らを「罪人(つみびと)」と称する人物からの依頼を受けます。それは、贖罪の旅に同行してほしいというものです。盗賊ギルドの一員として多くの命を手にかけてきた彼は、罪を悔い、ル=ロウド神殿でひとつの“クエスト”を授けられてきたと切り出します。それは、カプティ山脈の中腹にあるエルゼンフェルトの山と呼ばれる高山にあるヒンメルタール修道院への礼拝です。それを果たした後には、一人の病人に“キュアー・ディジーズ”の呪文をかけてもらえる約束にもなっています。
この旅では、ジャイアント・バットに悩まされます。また、足抜けを嫌った盗賊ギルドの刺客も襲う機会を狙っています。
冒険者たちはこれらを退け、修道院まで“罪人”を連れて行くことができるのでしょうか? 修道院では「罪からの解放」と呼ばれる最後の試練が待っています……
■成長報告
皆さん、前回からの成長を報告して下さい。レベルアップ等は今、相談して、各自調整して下さい。
■シナリオ本編
◇導入
冒険の舞台は“ザルツの要塞”ルキスラです。ザルツ地方最大の都市であるルキスラでは、強大な軍事力を背景に平和が保たれており、人々は繁栄を謳歌しています。
- ●〈馬の骨〉亭
キミたちは〈馬の骨〉亭に所属するようになり、署名入りの蹄鉄を持たせられるようになった新米冒険者です。昨日、ひとつの冒険を成し遂げたばかりのキミたちに、店主のネモが「ちょっと大きな仕事があるんだが」と言って、ひとつの仕事を持ちかけてきます。
- 【ネモ】「街の西にル=ロウド神殿がある」
- 【ネモ】「そこのお偉いさん――神殿の主デューデンビュッテル大司祭から、一人の人物の山岳登山の護衛と、その様子の報告を依頼された」
- 【ネモ】「なんでも、ル=ロウド神殿が施す“罪からの解放”の儀式に関連があるらしい」
- 【ネモ】「こちらでさらっと調べたところ、その人物は“クーデリア侯爵領”から来たらしく、どうも、“レッドクリムゾン”の元構成員らしい。つまり、目的は足抜けだと推定される」
- 【ネモ】「しかし、ただの足抜けにル=ロウド神殿が手を貸すとも思えない。何か別の目的があるようだが、それはデューデンビュッテル大司祭から直接伺うといいだろう。邪な目的に神殿が手を貸すとも思えないしな」
- 【ネモ】「報酬は1人あたり1000ガメルだ。その内、300Gを前渡しする。また、〈保存食〉2週間分を支給する」
- 【ネモ】「済まない。その人物の目的については本人が話したがるまで聞かないと言う約束で、この好条件を取り付けたんだ。だから、これ以上は直接本人に尋ねてくれ」
- 【ネモ】「“レッドクリムゾン”絡みで蛮族が動いていると言う情報は聞かない。だから、危険があるとすれば、山そのものか、“レッドクリムゾン”絡みの人族、あるいはその両方だろう」
- 【ネモ】「不思議なことに、登山の護衛しか依頼されていないんだ。下山は安全ということなのだろうか? そうとも思えないのだが」
- 【ネモ】「デューデンビュッテル大司祭は信頼のおける人物だと言う風評だ。不安なら、適当な情報源を当たってみるといい。必要なら、紹介もする。ただし、私の紹介するところは裏の組織で金もかかる。よく考えてから当たってくれ」
- 【ネモ】「他のメンバーには話すなよ? 裏の組織は“カラス通り”の《白といえば白カラス》亭に支部を持っている。符丁はメニューに載っていないワイン“チェ・リーカード”を瓶で頼んで、テーブルごと蹴り倒して瓶を割る、というものだ。そうすれば、案内人が出てくる手筈になっている」
- ●《白といえば白カラス》亭
“カラス通り”の奥にひっそりと店を構える酒場です。あまり繁盛している様子では無く、店の中ではガラの悪い客が何人か、チビリチビリとやっています。
- *チェ・リーカードの注文
メニューにはエールと普通のワインしか載っていません。店員に「チェ・リーカード」というワインを注文すると、以下のように返されます。
- 【店員】「少々値の張るワインなので、グラスでお持ちしますが宜しいですか?」
- 【店員】「瓶でのご注文ですか? では、代金は後ほど請求させていただきます」
- 【店員】「お代は時価ですので、お答えできかねます」
- 【店員】「では、お持ちいたします」
しばらくすると、白い瓶に入ったワインが出てきます。
テーブルを蹴り倒すと、ワイン瓶は割れ、白ワインが地面にぶちまけられます。
すぐに店員が出てきて、「お客様、ちょっと」と言いながら、PCを奥へ連れて行きます。
PCは弁償金として1000Gを要求され、「どこのもんだ?」と訊ねられます。
正直に答えるなら、ここが盗賊ギルド〈闇夜の鷹〉の支部であることを知らされ、1000Gはギルドへの入会金であることを告げられます。
嘘をつくなら、「金はいらねぇ、二度と来るな!」と言われて、蹴り出されます。
- 100G
- “男性について”“デューデンビュッテル大司祭について”“レッドクリムゾンについて”“カプティ山岳について”
- 300G
- “ヒンメルタール修道院について”“レッドクリムゾンの刺客について”
- 500G
- “試練について”
- 「その人物は元“デスクリムゾン”の暗殺者クザイダドだ。馬に乗った追い剥ぎの上部分くらいの実力がある」
- 「デューデンビュッテル大司祭は高潔だが厳しい人物だ。その人物に何の試練も課さずに許すということはしないだろう。おそらく、その依頼とやらが試練に関係していると見た」
- 「レッドクリムゾンはクーデリア侯爵領を根城とする、盗賊ギルドで、殺し、強盗、ヤク、人身売買、なんでもありの外道集団だ」
- 「ヒンメルタール修道院のある“カプティ山岳”でオオコウモリの大群を見たというものがいるらしい。山道を行くときは気をつけるんだな」
- 「ヒンメルタール修道院に行く者は何らかの罪を背負ったものだけだ。何でも、罪を帳消しにしてくれるすごい祭器があるらしい」
- 「“デスクリムゾン”が山賊の首領級の暗殺者を送り込んだらしい。油断するなよ」
- 「ここだけの話だが、その祭器は自由なものにしか使えないと言うことだ」
- ●ル=ロウド神殿
- 【デューデンビュッテル大司祭】「ひとつ頼みごとがあるのだが、引き受けてもらえないかね? 仕事内容はカプティ山岳の中腹にあるヒンメルタール修道院まで人を護衛してもらいたいというものだ。
- 【デューデンビュッテル大司祭】「ヒンメルタール修道院はルキスラにあるル=ロウドの聖地のひとつだ。ヒンメルタール修道院までの移動にかかる日数は5日とちょっとだ。既に《馬の骨》亭のネモから聞いていると思うが、報酬は1人あたり1000ガメル。その中から、前金として1人あたり300ガメルを支払おう。
- 【デューデンビュッテル大司祭】「前金を積むのには訳がある。今回の頼み事にはとある危険な組織が関わっていてね。少なからぬ危険が予想される。それで、その危険から身を守るための準備金を用意したと言うわけだ。
冒険者たちが迷っているようなら、デューデンビュッテル大司祭は次のようなことを教えてくれます。
- 【デューデンビュッテル大司祭】「とある組織とは、クーデリア侯爵領の盗賊ギルド“デスクリムゾン”だ。
- 【デューデンビュッテル大司祭】「その人は事情があって“デスクリムゾン”からの足抜けを決意したのだ。そんな危険を冒す決断をした者のためにも、この依頼を引き受けてやってくれないか?
それでも冒険者たちが依頼を引き受けないなら、ここで冒険は終わりです。冒険をしていないので経験点もありません。
冒険者たちが引き受けることを決めたなら、デューデンビュッテル大司祭は冒険者たちに前金と2週間分の食糧を渡し、ル=ロウド神殿の一室に案内します。
ル=ロウド神殿では、剃髪を済ませた一人の中年平凡そうな男性が待っている。平凡そうな男性は自ら「名も無き罪人」と名乗り、依頼の経緯と内容を話す。
- 【平凡そうな男性】「あなた方が依頼を引き受けてくださった冒険者の方々ですね。ありがとうございます。
- 【平凡そうな男性】「私は名も無き罪人です。もし名前が必要でしたら、ただ『罪人(つみびと)』と呼んでください」
- 【罪人】「私は長年、“デスクリムゾン”で暗殺者を生業としてきました。
- 【罪人】「私は幹部の命ずるまま、暗殺を繰り返してきました。しかし、ある出来事がきっかけで、それまでの生き方に疑問を持つようになりました。
- 【罪人】「先日、私は幹部の一人の命令で、とある商人を殺しました。
- 【罪人】「それは、当時の私にとって、とても自然なことでした。殺すのが当たり前で、罪の意識など全くありませんでした。
- 【罪人】「しかし、その翌日、私はその商人に病を患った幼い娘がおり、彼はその娘の病を治すために、身を粉にして働いていたのだと知ったのです。
- 【罪人】「私は悩みました。私が彼の立場だったら、同じように振舞えただろうかと。
- 【罪人】「私は悩んだ末に、このル=ロウド神殿を訪れました。
- 【罪人】「ル=ロウドの大司祭様の答えはこうでした。『ヒンメルタール修道院を訪ね、罪を清算せよ』。
- 【罪人】「それで、私は大司祭様にお願いして、ヒンメルタール修道院を訪ねるという“クエスト”をかけてもらうことと引き換えに、その商人の娘に“キュア・ディジーズ”をかけてもらうことにしたのです。
- 【罪人】「幸い、私には裏稼業で蓄えた財産がありました。
- 【罪人】「この“クエスト”を達成するまで、その娘はル=ロウド神殿で面倒を見てもらい、“クエスト”を達成した時点で、“キュア・ディジーズ”をかけてもらうことになっています。
- 【罪人】「あなた方にお願いするのは、ヒンメルタール修道院までの私の護衛と、ヒンメルタール修道院に到着した後、私に代わってこのル=ロウド神殿に私が“クエスト”を達成したことを伝えていただくことです。
- 【罪人】「私と、その少女、ヤナエのためにも、どうかよろしくお願いいたします」
ここまで話すと、「罪人」はグレンダール神殿の一室に向かう。キミたちがその部屋に入ろうとすると、入り口で待っているようにと制止する。その部屋では一人の少女が寝台に横たわっている。寝台に横たわった少女は、「罪人」を見ると、嬉しそうに声をかけてくる。
- 【少女】「おじちゃん! またお見舞いに来てくれたんだね!(ごほっごほっ)」
- 【少女】「おじちゃん。おじちゃんの言うとおり、わたし、いい子にしてたよ。おじちゃんがまた来てくれるようにお祈りしてたの。お祈り、神様に届いたね!(ごほっごほっ)」
- 【罪人】「ヤナエ、おじちゃんはちょっと長い旅に出なければならなくなったんだよ。ヤナエがいい子にしていれば、大司祭様がヤナエの病気を治してくださると言っていたよ」
- 【ヤナエ】「ほんと! じゃあ、わたし、いい子にしてるね。わーい、病気が治れば、おじちゃんと一緒にお外で遊べるね!(ごほっごほっ)」
- 【罪人】「……そうだね。じゃあ、おじちゃん、行ってくるね」
- 【ヤナエ】「うん、いってらっしゃい、おじちゃん!」
- 【ヤナエ】「(ごほっごほっごほっ)」
ヤナエの容態が思わしくないことは冒険者たちの目にも明らかです。診断を望む冒険者には部屋に入らないと診断ができないことを告げてください。それでも診断を行うならば、「セージ技能あるいはレンジャー技能+知力ボーナス」で判定を行わせてください。目標値11の判定に成功したならば、少女が「結核」にかかっていることがわかります。余命は2週間です。なお、部屋に入った冒険者は結核に感染する可能性があります。目標値13の生命抵抗力判定を行なわせてください。失敗した冒険者はこのセッション中、全判定に-1のペナルティを受けます。
罪人はヤナエのためにも、一刻も早く贖罪の旅を済ませなければならないと言います。
◇買い物
この街では、大抵のアイテムを買うことができます。マギテック協会や魔術師ギルド、ライダーズギルドもあります。
◇麓までの旅
準備を済ませて戻ってくると、デューデンビュッテル大司祭はル=ロウド神殿の横に止めてある2台の馬車に乗るようにと指示します。
- 【大司祭】「では、この馬車に乗りなさい。麓まで送ってあげよう。
馬車は2日ほど、ルキスラ帝国の中を進み、険しい山道の前で止まります。その間、デューデンビュッテル大司祭のお説教が続きます。
- 【大司祭】「我らが神がもっとも尊んでいるのは、自由だ。例え危険でも、安全な不自由より、危険な自由を選べ。そう神は説いておられる。無論、他者がどう選択するかはまた自由だが。
- 【大司祭】「私がその『罪人』の依頼を引き受けることにした理由は、彼が他人のために罪から自由になろうという意志を持ってこのクエストに臨んだからだ。自由になろうという意志の前では、彼がこれまでやってきたことなど些細なことだ。
◇0合目:獣道
訪れるものも少ないのか、登山道はわかりにくい獣道がついているだけだ。
GMはここでPCたちのうち希望者に地図作製判定を行わせて下さい。達成値の平均が11以上なら成功です。PCたちは1日の旅程をこなし、3合目に進むことができます。失敗した場合には、1日が経過して、元の場所に戻ってきます。
◇3合目
山道が崩れ、歩きにくくなっている場所に出くわします。崩れている部分は6m程度ですが、通過するには登攀判定が必要そうです。
- ●概要
崩れた部分は6mほどの長さがあります。登攀判定目標値10、ペナルティ-2に失敗すると5m落下し、15点の落下ダメージを受けます。
- ●大蝙蝠
2人目からは1dを振ります。出目が「渡った順番以下」だった場合、半分まで渡った所で大蝙蝠の襲撃を受けます。PTに危険感知判定を振らせて下さい。12以上だったキャラクターは襲撃に気づきます。
魔物知識判定を振らせて下さい。
襲撃を受けた際、渡っている最中だったPCは「足場が不安定なことによるペナルティ」-2を受けます。
◇4合目
山道を歩いていると、急に横から声を掛けられます。
1人の冒険者風の女性が、キミたちの蹄鉄を見て、声を掛けたのです。
キミたちは女性と利害が一致するということで、一緒に行動することにしました。
◇5合目
急にひらけた盆地に出ます。盆地では、6人の暗殺者が待ち構えています。
遭遇距離は10m-15mです。暗殺者たちは交易共通語で「そこの裏切り者を引き渡せ」と言ってきます。
- 【暗殺者】「俺はデスクリムゾンの暗殺者、イプシロン・オーレ。そこの裏切り者を引き渡せ。引き渡せば、裏切り者もお前たちも殺しはしない」
- ●概要
腕利きの傭兵(タビット)x1、馬に乗った野盗x2、山賊の弓兵x3が待ち構えています(全員欠片なし)。“罪人”の性能は馬に乗った野盗の上部分と同じです。
PCに気絶者が出るか、PTが降伏するか、NPCに気絶者が出るかすれば、暗殺者たちは停戦を申し出ます。
- 【暗殺者】「デスクリムゾンの恐ろしさを思い知ったか! それでは、俺たちは帰らせてもらうぜ!」
- 【暗殺者】「ま、待て! 本気で殺し合いをする気は無い! 裏切り者にシメシをつけてやろうと思っただけだ。ここはお互い被害をこれ以上出さないよう、停戦しよう」
◇8合目:ヒンメルタール修道院
襲撃のあった場所から1日ほど山を登ると、修道院に到着します。
修道院に到着すると、1人の司祭が冒険者たちを出迎えます。
- 【ル=ロウド司祭】「ようこそ、遠路はるばるいらっしゃいました」
- 【ル=ロウド司祭】「この神殿を訪れたということは、何か償わなければならない罪を背負っていらっしゃるのでしょう」
- 【ル=ロウド司祭】「罪を背負っていらっしゃる方はどなたですか?」
罪人が名乗り出ると、司祭は、一行を崖に面したテラスに案内します。
- 【ル=ロウド司祭】「ここは罪人を裁くためのテラスです」
- 【ル=ロウド司祭】「ご覧の通り、2つの開口部があります。右は命綱で身体を縛ることが許され、下には網もあります。左は命綱は許されず、遙か20m下の川まで風が吹くのみです」
- 【ル=ロウド司祭】「一方は罪のみを取り去り、人の命は取り去らない開口部です。もう一方は、罪、人の命、ともに取り去ります。どちらを選んでも、罪は取り去られ、贖罪は完了します。強いてどちらかを選ぶというのであれば、自分が、自由であるべきか、安全であるべきか、それを考えて選びなさい」
罪人はどちらでも罪が償われるのであればよいと考え、判断をキミたちに委ねます。
- 【罪人】「罪が償われるのであれば、私はどちらでも構いません。私は、ここまで私を連れてきてくれたあなたたちに選んでもらいたいと思います」
- 【罪人】「この〈剣の欠片〉6個と〈宝の地図〉をあなた方に託します。さぁ、選んで下さい」
冒険者たちがどうしても決断できないのであれば、罪人は自ら左の開口部を選び、そこに自分を突き落とすようキミたちを促します。
- 【罪人】「あなた方にとっても、私は裁くのにすら値しない人間というわけですね。これも自業自得というものでしょうか」
- 【罪人】「穢れた私の人生を裁くのに命綱は甘すぎるでしょう。さあ、私を突き落としてください」
右の開口部から飛び降りると罪人は10m下の粘つく網に絡め取られ、そして、崖から出てきた巨大蜘蛛に食われて行きます。そして、物言わぬ骸となります。
左の開口部から飛び降りると罪人は空中で支えられ、そして、崖から出てきた修道僧たちに助け出されます。そして、しばらくすると皆の下に戻ってきます。
- 【罪人】「私は許されたのでしょうか? 何か心の重荷が取れたように感じます」
罪人を裁き終えると、司祭の説法が始まります。
- 【ル=ロウド司祭】「わが神の教えは自由です。保身のために自らを縛し、束縛の道へと進むものを神はお許しになりません。逆に、贖罪に対する真剣な思いから全てを自由に帰そうとした者には神は寛大な心を以て報います」
- 【ル=ロウド司祭】「あなたは正しい選択を自ら行いました。神はあなたの罪をお許しになるでしょう」
- 【ル=ロウド司祭】「あなた方は彼のために選択し、正しい選択を行いました。神は彼の罪をお許しになるでしょう」
- 【ル=ロウド司祭】「あなた方は彼のために選択しましたが、選択を間違えました。神は彼の罪をお許しになるでしょうが、彼の命は失われました」
■シナリオの結末
最後の試練が終わればシナリオは終了です。
GMは、修道院から出た後は問題なく帝都ルキスラまで戻れたことにして処理してください。ル=ロウド神殿を訪れれば依頼も達成されます。冒険者たちはネモから残りの報酬(1人当たり700ガメル)を受け取ることができます。
冒険者たちが罪人に紐なしバンジーをさせることを決断した場合、冒険は完全成功となります。冒険者たちは1000点の経験点を獲得します。それ以外の決断をした場合は、冒険は不完全な成功となり、500点の経験点しか獲得できません。
「罪人」が生き残っていれば、彼とともにヨハンナに病気治療の奇跡が行われるのを目撃することができます。
- 【罪人】「おお、偉大なるル=ロウド神よ! あなたの広い心に感謝いたします!」
倒した敵の分の経験点は、「遭遇した魔物のレベルの総計x10」点です。
これらをもとに、各PCの成長を行ってください。
データセクション
人族
2Lv 山賊の弓兵
- 知能
- 人間並み
- 知覚
- 五感
- 言語
- 地方語、交易共通語
- 生息地
- さまざま
- 反応
- 中立
- 知名度/弱点値
- 5/-
- 先制値
- 8
- 移動速度
- 12
- 生命抵抗力
- 4(11)
- 精神抵抗力
- 3(10)
攻撃方法 | 命中力 | 打撃点 | 回避力 | 防護点 | HP | MP |
弓 | 4(11) | 2d+1 | 3(10) | 2 | 18 | 10 |
- 特殊能力
- 「弓」
- 弓は射程20mのカテゴリ〈ボウ〉の武器として扱います。
- 「精密射撃」
- 「剣の加護/運命変転」
- 行為判定や打撃点、魔法のダメージなどで振った2dの出目を両方ひっくり返せます。この効果は1日に1回だけ使えます。
- 弱点
戦利品 |
2~6 | なし |
7~10 | 銀貨袋(50G) |
11~ | 銀貨袋(1dx50G) |
弓を持ったごろつきです。後ろから弱そうな相手を狙って、弓で攻撃します。
データのみを使用して、下級兵士や武器を持った村人などを表現してもかまいません。
3Lv 馬に乗った追い剥ぎ
- 知能
- 人間並み
- 知覚
- 五感
- 言語
- 交易共通語、ザルツ語
- 生息地
- さまざま
- 反応
- 中立
- 知名度/弱点値
- 6/-
- 先制値
- 11
- 移動速度
- 16/33(馬)
- 生命抵抗力
- 5(12)
- 精神抵抗力
- 5(12)
攻撃方法 | 命中力 | 打撃点 | 回避力 | 防護点 | HP | MP |
スピア(本体) | 5(12) | 2d+6 | 5(12) | 4 | 25 | 13 |
蹄(馬) | 4(11) | 2d+1 | 3(10) | 2 | 28 | 9 |
- 特殊能力
- ●本体
- 「剣の加護/運命変転」
- 行為判定や打撃点、魔法のダメージなどで振った2dの出目を両方ひっくり返せます。この効果は1日に1回だけ使えます。
- ●馬
- 「振り下ろし」
- 部位:本体の打撃点を+2します。
- 部位:馬のHPが0以下になると、この能力を失います。
- 弱点
戦利品 |
2~6 | なし |
7~12 | 武器(30G) |
13~ | 銀貨袋(1dx50G) |
馬に乗って、旅人や行商人を襲うごろつきです。馬で獲物の行く手を塞いで脅し、金品を巻き上げます。数人から十数人ほどのグループで行動します。
5Lv 腕利きの傭兵(タビット)
- 知能
- 人間並み
- 知覚
- 五感
- 言語
- 交易共通語、地方語
- 生息地
- さまざま
- 反応
- 中立
- 知名度/弱点値
- 8/-
- 先制値
- 14
- 移動速度
- 20
- 生命抵抗力
- 8(15)
- 精神抵抗力
- 7(14)
攻撃方法 | 命中力 | 打撃点 | 回避力 | 防護点 | HP | MP |
剣 | 7(14) | 2d+10 | 6(13) | 5 | 52 | 17 |
- 特殊能力
- 「牽制攻撃」
- 攻撃の命中力に+1のボーナスを得られます。カテゴリ〈金属鎧〉を装備しているキャラクターに対して「牽制攻撃」は宣言できません。
- 「全力攻撃」
- 打撃点が4点上昇します。「全力攻撃」を使うと、次の手番まで回避力に-2のペナルティ修正を受けます。
- 弱点
戦利品 |
2~3 | なし |
4~7 | 銀貨袋(1dx30G) |
8~9 | 古びたナイフ(380G) |
10~ | 宝石(1dx150G) |
剣と盾、それに革鎧で武装した熟練の戦士です。さまざまな剣技を使用できます。