迷宮キングダム/超ローマランド/王国の由来

　かつてこの地に存在したローマランド……　いつ頃からあったのか*1、誰が作ったのか*2……
　その荒廃の一途を辿る運命を断ったのが初代園超“目に入れても痛くない”ウイロウ*3だった。
　彼はその目に入れても痛くなさだけで人望を集め、超ローマランドとして蘇らせた。
　ウイロウの偉業は現在ではウイロウ革命*4またはウイロウの変*5、ウイロウ事件*6などという名で伝わる。
　ただし、ウイロウ本人は二度の離婚と娘が一緒にお風呂に入ってくれなくなった絶望などを味わったとされる。
　その後ウイロウは誤ってマヨネーズとケチャップを混ぜたために失脚*7、２代目にその座を譲ったこともまた知られる逸話である。
　２代目は爽やかな笑顔で天階に旅立ち、帰ってこなかったとも某鳥サブレ*8を手土産にしたとも言われており、また、３、４は飛ばして５代目はすごくハンサムだったらしい。
　また、７代目も５代目に及ばぬものの、ハンサムだったらしい。
　１０代目くらいまでの逸話は半ば神話として語られ、その真偽は定かではない。
　超ローマランド四方山話として伝わるこの初代園超ウイロウから続く国づくりは現代でも劇場等でお子様からお年寄りまで親しまれている。
　無駄に長いために逸話は細かいエピソードで分断され脚色を加えたものが普通で、代表的なものに：

「愛――深緑色の君の瞳に映る影・背後霊――」*9
「新・ゆかいなズッコケ３兄弟～他者を蹴落とし頂を目指す男達の物語～２」*10 *11
「波浪頁」*12
「社宅」*13
「昼下がりの団地妻」*14
「失敗しない園芸・失敗する宴会芸」*15
「現代経済発達の系譜」*16
「みたらし学概論」*17
「路道飫富座鈴宮」*18

などがある。
　この中でも「波浪頁」「昼下がりの団地妻」では隣村帝政猫村が帝政になる前の様子に触れているとも言われる。また「路道飫富座鈴宮」には超ローマランドにおける宗教改革の様子が垣間見れる。

　そして時代は進み現代。

　２３代目園超“グローリアーナの子”マリーゴールドは三年前の正月の特売セールで超ローマ魔術*19を会得し、その使い手となった。
　マリーゴールドの弟園ジャ“虫も殺さぬ”スロットはその特売セールと関係ありそうで実はない超ローマ忍法*20の達人である。
　園臣“天につば吐く”ジュノーはおせっかいの末、隣村帝政猫村から謎の「失われたゴットン」*21を手に入れようと画策するも、間違えて名前の似ている武器マニアの神官“七転び八起きの”コットンを連れ帰ってしまい、開き直って人質とする。
　その結果かあるいは虫の居どころが悪いため、帝政猫村とは現在「険悪」な関係となっている。
　一方当人“七転び八起きの”コットンは実家に置き忘れた武器の手入れをしたいから、という理由だけで故郷との関係を「同盟」にしようと考えている。
　現在、超ローマランドはすったもんだの末、現人神ハグルマを主神とする歯車信仰の営利協同組合連合会*22となった。
　千年王朝からはなんとなく、スパイとして園騎士“清濁併せ呑む”ドミノを送り込まれている。園騎士“清濁併せ呑む”ドミノの目的は超ローマランドを千年王朝の属国にするつもりで、まだ誰にも気取れていない。
　多分。きっと。
　ローマランドは本来文化保存のためのテーマパークだったようだが、現在の超ローマランドが文化を奨励し、立派な劇場を備えていることは２２代目園超グローリアーナ*23の粋な計らいによる、特に前身とは関係のないものである。